京都市西京区で気管支喘息の検査や治療なら

小児科・アレルギー科 かわむらクリニック
ALLERGY

気管支喘息

気管支喘息とは
気管支喘息とは

気管支喘息とは

気管支喘息とは、空気の通り道(気道)の慢性炎症を特徴とし、発作性に起こる気道狭窄によって、咳、息を吐くときのゼーゼー、呼吸困難を繰り返す疾患です。ずっとじわじわ炎症が残っているので、気道が腫れて敏感になっている状態です。

息を吸うときに症状のきっかけになるもの(アレルゲン)が入ってきたり、風邪を引いたりしたときに発作(急性増悪と言います)が出ます。また気道が敏感になっているので、走ったり大声で笑ったりしただけでも咳やゼーゼーが出てしまうこともあります。
小さなお子さんを気管支喘息と診断するのは難しいですが、表に挙げた項目が当てはまる場合は注意が必要です。

気管支喘息を疑う兆候

  • 息を吐いたときにゼーゼーして、気管支拡張薬を吸入すると改善するというエピソードが3回以上ある
  • 家族の中にアトピー素因のある人がいる(アレルギー検査が陽性、気管支喘息にかかっているなど)
  • 運動や大笑いで咳、ゼーゼーが誘発される
  • 気道感染後に咳が長引く
  • 夜間や早朝にひどくなり、日中は改善する

気管支喘息の検査

当院で行える検査には以下のものがあります。

  • 血液検査

    総IgE値や好酸球数を見ることで、大まかなアレルギー状態を知ることができます。
    日本人の喘息児の多くはダニに感作されています。そういったアレルゲンへの感作を見るうえで特異的IgE抗体の測定は有用です。
    また感作の有無を知ることで、アレルゲンの回避や治療法の選択に役立ちます。

  • 皮膚プリックテスト

    先ほどの血液検査と同様に特異的IgE抗体の有無の評価が行え、感作の程度を知ることができます。

  • 呼気NO(一酸化窒素)

    気道炎症の程度を調べる検査です。喘息の診断、治療経過のモニタリングに役立ちます。
    長期管理を行う上で、喘息のコントロール状態を評価できる検査です。
    この検査の結果と、日常生活での症状の有無を確認しながら治療内容を調節します。

  • スパイロメトリー

    呼吸機能を測定する検査で、喘息の重症度を知ることができます。
    また喘息の発作が出ているか判断に迷うときにこの検査を行うことで、発作の有無を知ることができますし、吸入の効果を見ることもできます。

    喘息以外の疾患との鑑別に用いられることもあります。

気管支喘息の治療

気管支喘息の治療

気管支喘息の治療は発作が起きた時の急性期治療と、症状が治まっているときの長期管理に分けられます。ここでは長期管理について触れます。
気管支喘息では気道に慢性の炎症がありますので、その炎症を取り除くことが治療の中心になります。
喘息の症状が出ることを防ぎ、発作を予防するために治療します。
患者さんそれぞれの重症度に応じた治療が選択されます。
治療の目標は以下のようになります。

  • 昼も夜も症状が出ない
  • 呼吸機能が正常
  • 普通に日常生活が送れる(運動などが普通にできる)

長期管理の要点としては、漫然と治療を行うのではなく、
「評価・調整・治療」のサイクルを基本として行うことが大切です。

  • 薬物療法

    吸入ステロイド

    長期管理の基本になります、この薬の登場によって喘息の治療成績は劇的に良くなり、2018年日本の小児の喘息死患者数は0になりました。
    5歳以上でなおかつ重症の患者さんには吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤を使うこともできます。

    ロイコトリエン受容体拮抗薬

    気管支拡張作用や気道炎症抑制作用があります。比較的軽症の喘息児に使われることが多いです。

    生物学的製剤

    体の中で起きているアレルギー症状を引き起こす経路をブロックする薬です。
    高容量の吸入ステロイドでもコントロールができない重症の患者さんで使われます。

    他にも患者さんの状態に合わせて、色々な薬を使うこともあります。

  • 増悪因子への対応

    喘息の発作を起こさないためには、きっかけになるものを避けることも大切です。
    きっかけになるものとしては、ほこり・ダニ・動物の毛・たばこの煙・PM2.5・黄砂・呼吸器感染症(RSウイルスやヒトライノウイルスなど)・ストレスなどが挙げられます。
    掃除をこまめに行い、体を清潔に保ち、規則正しい生活、好き嫌いせず栄養をしっかり摂ることが大切です。

長期管理が不十分だと、発作を繰り返し気管の粘膜がむくんだまま
戻らなくなります(リモデリングと言います)。
また乳児期の気管支喘息の遷延が、成人以降の呼吸機能低下につながると近年報告されています。

重症度に応じた適切な長期管理が大事です。
診断も含め、心配なこと、聞きたいことなどあればお気軽に当院にご相談ください。