京都市西京区でダニ・スギ花粉の舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)なら

小児科・アレルギー科 かわむらクリニック
ALLERGY

アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)とは
アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)とは

アレルゲン免疫療法とは

アレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患の原因アレルゲンを継続的に体内に投与することにより、アレルゲンに暴露されたとき(例.花粉症の時期、ほこりまみれの部屋を掃除したとき、普段除去している食品を誤食したときなど)に引き起こされるアレルギー症状を緩和する方法です。

アレルギー疾患の治療は対症療法(症状のみを抑える治療、根本的な原因を除去しているわけではない)であることが多いですが、アレルゲン免疫療法はアレルギー疾患そのものを根本的に治癒させうる唯一の治療法になります。
現在、日本でも保険適用されている免疫療法がいくつかあります。このページでは、ここ数年、急速に広まりつつあるダニとスギに対する舌下免疫療法についてお話しします。

アレルゲン免疫療法の
意 義

アレルゲン免疫療法により、様々な免疫反応の促進/抑制が複合的に関与してアレルゲン特異的なアレルギー反応を抑制します。
即効性はまったく期待できません。

しかし、年単位で根気よく投与を続けることで効果が長期間持続し、最終的には根治を目指すことのできる治療法です。

舌下免疫療法とは
(SubLingual Immuno Therapy ; SLIT)

アレルギー性鼻炎は、アレルゲンと呼ばれる原因物質(ダニ、スギ花粉など)によって引き起こされます。
SLIT("スリット"と読みます)とは、その患者さんでアレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から徐々に量を増やし舌下に繰り返し投与することにより、体をアレルゲンに慣らし症状を和らげる治療法で、根本的な体質改善(長期寛解・治癒)も期待されます。

アレルゲン免疫療法の治療の流れ

アレルゲン免疫療法の治療の流れ

まず、問診と血液検査/皮膚検査で原因となるアレルゲンの確認をします。
「治療は1日1回舌下に薬剤を投与します。1~2分間、薬剤が完全に溶けるまで舌下に保持し、その後飲み込みます。投与後5分間はうがいや飲食を控えます。」
することはこれだけです。舌下に1~2分間薬剤の保持さえできれば比較的簡単です。
ただし、投与前、投与後2時間は入浴や飲酒、激しい運動は控えるようにしてください。

また、気管支喘息のコントロールが不十分な人や、口腔内に傷や炎症のある方、歯科治療(抜歯など)を受けたての方、妊婦・授乳婦の方は治療を受けられないこともありますので、ご相談ください。
初回投与は医療機関で行い、院内で30分間経過観察します。
2日目以降は自宅で行い、だいたい1週間ほどで増量します。
後述するような副作用が見られることがありますので、最初の1か月程度は日中や家族のいる場所での投与が推奨されています。

治療期間は3~5年とされていますが、実際にはさらに長く投与されていることもあります。今後のデータの積み重ねによって、期間は変更されるかもしれません。
一般的な有効性としては、8割前後で効果があるとされています。毎日きっちり内服することは当然大切ですが、同時に原因となるアレルゲンの徹底的な回避が重要になってきます。
ダニとスギ花粉の回避方法をご確認ください。

  • ダニ回避

    • 室内清潔維持、ダニの繁殖しやすい環境(25℃以上、湿度60%以上)を避ける
    • 絨毯、ソファはBad。フローリングがGood
    • 床の掃除機は20秒/m²を毎日
    • 寝具の掃除機20秒/m²を週1回
    • シーツや寝具の交換・洗濯はこまめに
    • 年1回は室内の徹底的な大掃除
    • 室内ペット飼育は避ける
  • スギ回避

    • 花粉飛散情報に注意を払う
    • 飛散が多い時の外出控える
    • 飛散が多い時の洗濯物外干し避ける
    • 帰宅時、衣服や髪をよく払って入室、洗顔・洗眼・うがい励行
    • 掃除励行

副作用としては投与部位である口の中の腫れや痒み、のどの痛みが多いです。稀に腹痛などの症状もあります。
副作用は投与後数時間で自然に消失することが多く、また投与開始から1か月ほどで見られなくなることがほとんどです。程度が強い場合や、長引く場合は遠慮なくご相談ください。
またアナフィラキシーといった重篤な症状が起こる可能性もありますので、アナフィラキシーと考えられる症状がでたときは直ちに医療機関を受診してください。アナフィラキシーの症状については別ページをご参照ください。

アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎だけでなく、気管支喘息やハチ毒アレルギーにも適応があります。ほかにもまだ推奨はされていませんが、食物アレルギーに対する経口免疫療法や経皮免疫療法などの研究も進んでいます。
投与経路も舌下だけでなく、皮下注射や貼り薬による経皮経路など様々です。最初にも述べたように、アレルゲン免疫療法はアレルギー疾患を根本的に治癒させうる可能性を秘めた治療法です。

即効性は期待できず、時間はかかりますが、日々の積み重ねがアレルギー疾患の無い明るい未来につながるものと私たちは考えています。
分からないこと、困ったことがあればいつでもご相談ください。皆さんのアレルギーフリーの生活のお手伝いができればと思っています。