インフルエンザにかかった後でも、ワクチンは打った方がいい?

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  • 2026.09.03

インフルエンザにかかった後でも、ワクチンは打った方がいい?

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はじめに

今年は例年より早く、夏の終わり頃からインフルエンザの患者さんが増えています。
京都市西京区・右京区地区でも8月末時点で、定点1.0超という流行入りを示唆する基準を満たしました。
まだ今年のワクチンが開始されていないというのに、、、

そこでよく聞かれるのが、

「もうインフルエンザにかかったので、今年はワクチンを打たなくてもいいですか?」

という質問です。

結論から言うと、答えは「否」です。

確かに、一度インフルエンザに感染すると、そのウイルスに対する免疫ができます。

しかし、一度インフルエンザにかかったからといって、そのシーズンのワクチンが不要になるわけではありません。

当院では、すでにインフルエンザにかかった方にも、回復後は通常どおりインフルエンザワクチンを接種することをおすすめしています。

一度かかれば、もうインフルエンザにはかからない?

残念ながら、そうとは限りません。

インフルエンザにはいくつかの種類があります。

代表的なものとして、

  • A型(H1N1)
  • A型(H3N2)
  • B型

などがあり、同じシーズンの中でも複数の種類のインフルエンザウイルスが流行することはよくあります。

たとえば、8月にA型インフルエンザにかかったとしても、その後に別のA型やB型インフルエンザに感染する可能性があります。

つまり、

「今年すでに1回かかったから、もう大丈夫」

とは言えないのです。

感染してできる免疫と、ワクチンの免疫は少し違います

インフルエンザに感染すると、私たちの体はそのウイルスに対する抗体を作ります。

そのため、同じ、あるいはよく似たウイルスに対しては、ある程度感染しにくくなることが期待できます。

しかし、この免疫は実際に感染したウイルスに対する免疫が中心です。

一方、現在のインフルエンザワクチンは、シーズン中に流行すると予測される複数のインフルエンザウイルスを対象として作られています。

そのため、一度インフルエンザに感染した人でも、ワクチンを接種することで、自分が感染したものとは別のインフルエンザウイルスに対する免疫をつける意味があります。

CDC(米国疾病予防管理センター)も、すでにそのシーズンにインフルエンザにかかった人について、他の流行しているインフルエンザウイルスから守られる可能性があるため、未接種であればワクチン接種を勧めています。

インフルエンザにかかった後、いつからワクチンを打てる?

ここもよく質問されます。

実は、

「インフルエンザにかかったら、ワクチンまで○週間あけなければならない」

という決まりはありません。

英国の公的な予防接種ガイダンスでは、インフルエンザにかかった人でもワクチンを接種することが勧められており、病気から回復していれば、その後いつでも接種できるとされています。

大切なのは、「感染してから何日たったか」よりも、インフルエンザからきちんと回復しているかどうかです。

まだ発熱している、全身状態が悪い、といった急性期には接種を延期します。

日本の厚生労働省も、発熱している場合や重篤な急性疾患にかかっている場合には、治ってからインフルエンザワクチンを接種するよう案内しています。

8月や9月にかかったら、回復後すぐに打つべき?

必ずしも急いで接種する必要はありません。

たとえば8月にインフルエンザにかかり、すぐに回復したからといって、8月中にワクチンを接種しなければならないわけではありません。

インフルエンザワクチンによる免疫は時間とともに徐々に低下するため、あまり早く接種すると、冬の流行期には効果が弱くなっている可能性があります。

CDCでは、多くの人について9~10月頃の接種を推奨しており、7~8月の早すぎる接種は原則として勧めていません。

日本では例年、秋からインフルエンザワクチンの接種が始まります。

したがって、

8~9月にインフルエンザにかかった
→ しっかり回復する
→ 秋になったら通常どおりワクチンを接種する

という考え方でよいでしょう。

「今年もうかかったから、ワクチンはいらない」はおすすめしません

一度インフルエンザにかかると、そのウイルスに対する免疫はできます。

しかし、それだけでそのシーズンに流行するすべてのインフルエンザウイルスに対する免疫ができるわけではありません。

実際、同じシーズンに「A型にかかった後、今度はB型にかかった」ということも起こり得ます。

そのため、

「今年はもうインフルエンザにかかったから、ワクチンは打たなくていい」

とは考えない方がよいでしょう。

すでにインフルエンザにかかった方でも、体調が十分に回復した後は、通常どおりそのシーズンのインフルエンザワクチンを接種することをおすすめします。

まとめ

ポイントは3つです。

① インフルエンザに一度かかっても、別の型・株に感染する可能性があります。

② すでにインフルエンザにかかった人でも、そのシーズンのワクチンを接種する意味があります。

③ 接種まで「○週間あける」という決まりはなく、十分に回復していれば接種できます。

特に今年のように早い時期からインフルエンザが流行していると、「もうかかったから今年のワクチンは必要ない」と考える方が増えるかもしれません。

しかし、インフルエンザの流行はこの先も続き、途中で流行するウイルスが変わる可能性もあります。

早い時期にインフルエンザにかかった方も、秋になったら通常どおりワクチン接種を検討してください。

主な参考文献・資料

  1. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP).
  2. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Key Facts About Seasonal Flu Vaccine.
  3. UK Health Security Agency. Flu vaccination programme 2026 to 2027: information for healthcare practitioners.
  4. 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」